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5月18日の将棋

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図1:25手目 後手四間飛車穴熊に対し居飛車穴熊で対抗

今回田口は先手である。今回の相手は四間飛車穴熊戦法を採用してきた。この戦法は広瀬八段が一時期採用して勝ち星を多く稼ぎ、王位のタイトルを取る原動力となった戦法だ。この戦法に対し、田口は堅さ負けしない穴熊で対抗することにした。

穴熊囲いというのは王手がかかりにくいという長所がある反面、逃げ道が少ないというデメリットもある。つまり、受けのことをあまり考えずに攻めに専念したい人のための囲いであると言える。

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図2:33手目 何気ない手▲7八金

アマチュア有段者における振り飛車穴熊の駒組みから攻め方は広瀬八段の考え方が広く浸透している。早めに△5四銀と上がってから飛車を振り直すのはまさに広瀬イズムの典型と言って良い。

この攻めの形に対して田口は6九の金を7八に移動した。7九に移動する手とどっちが良いかというのをネットで何回も指して比較した結果7八に金を移動したほうが良いのではないかと現在は考えている。この何気ない一手にも多くの経験値が盛り込まれている。

 

 

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図3:42手目 松尾流穴熊許さじの△4一飛

先手も右桂を飛ばして開戦の準備が整ったが、すぐには仕掛けない。田口の狙いは5七にいた銀を7九に運ぶことである。銀が7九まで進んだ形は松尾流穴熊と呼ばれ、プロ間ではこの形まで組めると勝率8割と言われる。銀が7九まで移動できるのも先ほどの▲7八金のメリットの一つである。

後手としては簡単に松尾流穴熊に組ませては勝てなくなってしまう。そこで、薄くなった4筋を攻める△4一飛というのは理に適っている。しかし、田口の狙いは玉を固めるだけではない。ここから先手は▲2四歩△同歩▲6五歩と仕掛けるのも狙いだった。このとき飛車が6筋にいると同歩で飛車先の歩が伸びるので容易ではないが、飛車が4筋にズレたのでこの仕掛けを決行しやすくなったのである。

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図4:53手目 ▲2二飛成は一手遅い飛成だが…

お互いに飛車を成りあって図4の局面になった。後手の方が先に飛車を成ったが取れる駒が玉と反対側の香車くらいしかないのに対し、先手龍は守りの5二の金取りになっており、これを受けなければならない。

よって先手の方が攻めが一手早いため、先手が有利になっている。後手としては単純な飛車の成合いは避けなければならなかった。相穴熊戦の場合、中盤にリードを奪われると玉の逃げ道がない分逆転が起きにくいと思う。

 

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図5:69手目 安全勝ちを目指しすぎた▲7九香

相穴熊戦の場合、角の価値が低く、金と交換する手が頻出する。先手の次の狙いは▲6一角成だが、その一手が来る前に後手も猛攻を開始した。

△5六角と守りの要の7八金を食いちぎろうとする手に対して▲7九香と受けたが、疑問手だったかもしれない。(そもそも攻め方もおかしかったのでなんとも言えないが)

それでも△7八角成と食いちぎられたほうが個人的には嫌な展開だったが、後手はそれだけでは攻めにならないと判断して△1九龍と香車を補充したがこれが敗着だと思う。一手緩んだことで攻めのターンが先手に移り、後手は苦しくなった。

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図6:89手目 田口、徹底して7二の地点を狙う

振り飛車穴熊を横から攻める際の急所は7二の地点を攻めることである。なぜなら8二にいる銀は横には利いていないからだ。

図6は後手はちゃんとした穴熊の形になっているが先手が勝勢なのだ。先手の6三の歩が後手陣に強烈なプレッシャーを与えている。例えば7二の地点を受けようと△6一角と受けると、▲7二金△同角▲6二歩成で後手はジリ貧である。

本譜はこのあと受けがないと見て攻めて来られたが、先手が明確に一手速く、そのまま勝ちになった。

相穴熊戦は一見するとがっぷり四つの長期戦になりそうに見えるが、実際は中盤で勝負が決しかねないスリリングな戦型なのである。こういう終盤力が絡まない戦型は田口の得意とするところなのでこのような戦型を指すプレーヤーが増えて欲しいと密かに願っている。

5月19日松濤練

  • 平成27年5月19日の練習メニュー

18:50~19:00 体操

19:00~20:20 サーブ連

  • 参加者 1名 (男性1名)
  • シャトル打っても一人
  • 多分当面火曜日を取ることはないと思います

※ 他に書き残したいことがある方はコメント・掲示板等で田口に連絡ください

5月14日松濤練

  • 平成27年5月14日の練習メニュー

18:30~19:05 フットワーク(?)

19:05~19:30 基礎打ち

19:30~20:50 ダブルス練

  • 参加者 7名 (男性6名、女性1名 内、8時40分に到着1名)
  • 実質6名だったのでダブルス+シングルス
  • 田口・友藤のミックス練に付き合ってもらってありがたかったです。大会頑張ります!

※ 他に書き残したいことがある方はコメント・掲示板等で田口に連絡ください

5月9日の将棋

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図1:22手目 後手横歩取り8五飛4一玉型を選択

今回田口は先手である。実は5月9日は私の誕生日だったのだが、やることはいつもと変わらずネット将棋である。本局は数年前にプロ間で大流行した戦型である横歩取り8五飛4一玉型との対局である。

田口はこの戦型を3年前には最も得意な戦型にしており、中でも「新山崎流」と呼ばれる変化を猛烈に研究して初の24三段突破を果たした程である。

しかし、そんな大流行した戦型も今では下火になっている。その理由も解説しつつ、棋譜を振り返ろうと思う。

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図2:26手目 後手危険な駒組み

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本来後手は5一金、4二銀と指して「中原囲い」と呼ばれる形に組んでから右桂を跳ねるのだが、後手はいきなり桂を跳ねてきた。

対局中は違和感を感じながらも田口は玉の囲いを優先したが、図2から▲3三角成△同桂▲7七桂△8四飛▲9五角△8三飛▲7五歩と進んで右上図まで進むと速い桂跳びを上手く咎めた格好だ。以下△9四歩には▲7三角成(!)△同飛▲6五桂で攻めが切れない。

次同じ駒組みをされたらこの仕掛けで一気に潰したい。

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図3:31手目 横歩取り8五飛4一玉型のテーマ図

横歩取り8五飛4一玉型がプロ間で廃れた原因には前述の「新山崎流」という有力な対策に加え、図3の先手の形が出てきたのが大きい。

後手の金銀4枚は左右に分断しているのに対し、先手の金銀4枚は密接しているので後手玉より堅い。なので、勝率を重視するプロの将棋からは現れにくくなった。

アマチュア間でも横歩取り8五飛4一玉型は激減したが、実際にはこの局面も難しい。個人的には△7五歩と仕掛ける手は結構有力ではないかと考えている。

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図4:36手目 後手、先手の仕掛けを徹底的に警戒

後手は図3の時点で仕掛けを見送ったことで、自分から仕掛けず、徹底的に仕掛けを封じるために△2三歩を打ってしまった。歩は2枚ないと有効な仕掛けは後手からなくなるため、後手は先手に攻められるのを受ける将棋になっている。

ここから▲7五歩という手が有力だったみたいだ。しかし、田口は9筋を狙おうと考えた。

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図5:42手目 横歩取り 一手の油断が 命取り

結論から言うと、田口の9筋を狙う構想はあまり筋の良いものとは言えなかったようだ。が、後手の6三銀が田口の筋悪の構想を成立させてしまう痛恨の敗着となってしまった。

9筋の歩が伸びていなければ△6三銀という手は悪い手ではなく、次に△6二金と上がれば後手陣のバランスがよく、色々な狙いも出てくるのだが、この場合は▲9四歩の仕掛けが成立する。以下△同歩だと▲9二歩なので△6五歩だが、この時に▲5五角が桂取りになってしまうのが△6三銀の罪。桂取りを受けると9筋突破が確定し、先手が一方的に攻めることができる形になった。

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図6:55手 投了図

投了図以下、△9四飛と香車を取ると▲9五歩で飛車が詰むし△8一飛と飛車が逃げても▲9三香成が次の▲8二成香を見て厳しい。先手玉が堅く反撃の余地もないのも見逃せない点だ。

横歩取りという戦型は駒組みで一手ミスをするとあっという間に崩壊してしまうスリリングな戦型であるため、アマチュア間ではなかなか人気がない。しかし、序中盤の研究がそのまま勝ちにつながるので達成感を得やすい戦型だと個人的には考えている。

横歩取りを指すアマチュアがもっと増えて欲しいと思う今日このごろである。

5月10日松濤練

  • 平成27年5月10日の練習メニュー

9:00~9:45 基礎打ち

9:45~10:05 半面シングル+ドライブ練

10:05~11:50 ダブルス練

  • 参加者 13名 (男性10名、女性3名 内、左利き1名)
  • 日曜日の午前中でも10名以上の人は安定して集まれそう
  • 今日は現役4名
  • 女性が多かったのでミックスの練習ができたのが収穫

※ 他に書き残したいことがある方はコメント・掲示板等で田口に連絡ください

5月3日松濤練

  • 平成27年5月3日の練習メニュー

9:00~9:30 基礎打ち

9:30~10:20 半面シングル+ドライブ練

10:20~11:50 ダブルス練

  • 参加者 12名 (男性11名、女性1名 内、初参加者2名)
  • 日曜日の午前中という非常に珍しい時間ながらそこそこの参加者数
  • ただ、現役は0人
  • シャトルが足りずに困りました。ちゃんと毎回2ダース持っていくよう心掛けます。

※ 他に書き残したいことがある方はコメント・掲示板等で田口に連絡ください

4月28日の将棋

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図1:40手目 先手四間飛車▲6六銀型

今回はアマチュアでは未だによく指されている四間飛車対居飛車穴熊で田口は後手である。この相手に田口は2連敗を喫していた。(連コしていたわけではない)

前回負けた後、激指先生に修正手順を教えてもらっていたので、今回こそは勝とうと思って臨んだ。田口は▲6六銀型に△4二角という手を好んで指している。右桂を捌きやすいというのが△4二角のメリットだと思う。

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図2:43手目 桂跳ねにいきなりの反発▲7五歩

この手も2連敗したときと全く同じ手である。この手に対して同歩と取ると同銀で相手の攻めが速くなってしまう。ここは△2四飛の一手である。

以下、▲5五歩△同歩▲4五歩△2六歩▲同歩△5六歩▲5五銀△2四角が激指先生に教えてもらった手順。田口の事前検討ではここで、と金▲5六金と歩を払うも△3五歩と桂頭を攻めて後手が勝ちやすいという考えだったが、次の一手で別の手を指される。相手はこの戦型を指し慣れているのである。

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図3:53手目 と金攻めより速い▲4四歩

ここで▲4四歩という手が好手であった。仮に一直線に攻め合う△5七歩成のような手だと▲4三歩成△4七歩成▲3二と△3八と▲同金となると先手玉は意外と安全で後手が負けてしまう。なので、この▲4四歩は受けなければならない。田口は△4二金と引いたが、強く△同金という手もあったのだろうか(激指先生推奨手だがいい手に思えない…)今後の検討課題である。

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図4:58手目 味の良い△7五歩

先手は2枚の歩の楔を打って満足の展開だと思う。この一手前で△5七歩成を防ぐために自玉を固めながら角道を通す▲6六銀という手を指され、対局中は田口も良い手っぽいなぁ、と感心していたのだがこれが緩手だったみたいで、逆転したようなのだ。▲5六金と歩を取りに行く方が優ったらしい。ココらへんは何がプラスの手なのか直観的にわかりにくくアマチュアには難しい局面だと思う。

▲6六銀に対して△7五歩が好手で、飛車が5四に回ったり、▲7六歩で角をいじめる手などが生じ、先手も忙しくなった。先手はここで▲6四歩と△5四飛を防ぎつつ攻める手を指したが、これも単に△同歩で次の△6五桂が厳しい。この数手で後手が一気に優勢になった。

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図5:72手目 穴熊の勝ちパターン、金取り放置の攻め合い

先手はかなり強引に攻めてきているが、図3の時と違い、今度は後手も持ち駒が増えており、後手が攻めているのが5筋と1路遠いので攻め合って後手が勝てる。例えば一直線に攻め合った場合を考えてみると、▲5三歩成△4六歩▲4二と△4七歩成▲3一と△4四角で以下、かなりの長手数になるが先手玉が詰む。(ただし、この詰みは長手数かつ難易度もかなり高いので30秒将棋で詰ませられる自信は無い。もしかしたら一直線に進まれたらまずかったかもしれない)

一直線に進むと先手玉が詰むので受けなければならないが、並みの受けでは穴熊の方が1手速い。激指先生推奨の勝負手に▲3五銀という手があり驚いた。△同歩と取ると角の利きが止まり▲3四桂が生じるというものだ。(ただそれでもすぐに逆転するわけではないが)

実戦は▲同銀と歩を取ってくれたので△5七歩成で気持ち的に凄く楽になった。

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図6:87手目 「端玉には端歩」という格言を失念している田口

図6では△1四歩と突く手が「端玉には端歩」の格言に則った好手で、後手は適当な受けがなく後手勝ちになる。が、田口は△4二同金と金を取ってしまう。これでも後手勝勢には変わりないが、▲4三歩成とされると後手玉に王手がかかる形になってしまい、早指しなので大逆転しかねない危険な手だったように思う。

ただ、本譜は▲5一角と、仮に▲4二角成となったとき馬の効きで受けようという攻防手だが、△3三桂が好手で後手の勝ちとなった。

・・・改めて自身の棋譜を見てみると終盤危なっかしくて見てられないが、中盤で相手のミスがあってからは一度も逆転されずに勝てたのは良かった。2連敗した相手に何としても勝とうと激指先生と検討した成果が出て嬉しい一局だった。

4月22日の将棋

この自戦解説をする前に田口の24でのレートの推移を軽く話しておくと、21日にレート2,000を超えて欣喜雀躍していたのだが、さらに2連勝して約2年前に出した最高レートである2,044を上回って2,045という自己最高レートを更新したのだ!

2年前のかつての自分の記録を抜けたことには感慨深いものがあった。2年前のときとの共通点もいくつか発見できたような気がするので、もし将棋の指導をする機会があれば棋力向上に必要な心構えを伝えていければと思う。

その次の1局は負けてしまいレートを落とすも、その次は勝ちで2,043になった。そのタイミングで二段の相手からの挑戦を受けたので受けてたった。

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図1: 4手目 △8八角成にダイレクト向かい飛車を期待する田口

本局は田口が先手である。4手目で△8八角成という手を指された。最近の田口は4手目は△9四歩だが、この手を少し前の田口は愛用しており、自己最高レートを超えるのに絶好の戦型になるのではないかと胸踊らせた。

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図2: 12手目 後手1手損角換わりにも拘らず△2五歩と伸ばす

が、田口の期待通りにならず戦型は一手損角換わりになってしまった。一手損角換わりとは後手番から角換りすることによって先手が手得する不思議な戦型なのだが、現在でもプロ間でたまに指されている戦型である。

この戦法の骨子は飛車先を突かないことで自玉の駒組みの幅を広げることにあるのだが、なんと後手は△2五歩と飛車先を伸ばしてきた。いかにもアマチュアといった感じがある。この時点で田口は(相手は棒銀しか指せないな)と察した。

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図3: 24手目 予想通りの棒銀

後手は予想通り棒銀を指してきた。棒銀の棋譜は本ブログでも紹介したが、その時田口のオススメといった手はここで▲6六銀である中央を攻めるのである。

すぐに△9五歩と来られるかと思いきや、一回△7四歩と力を溜める手を指された。これは好手で、桂を使ったり左銀で飛車をいじめる手を消している。

ここで激指先生は▲4五桂という手を推しており、本譜に比べその方が優ったと思うが、田口の選択は▲7七桂。確かに桂馬2枚で中央を攻めるのは強力なのだが、守りの桂を攻めに使うのはリスクを伴う。▲7七桂と跳ねるのは9筋を攻められてからのほうが良かった。

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図4: 33手目 本ブログで有力と紹介した▲9四歩だが・・・

以前本ブログで対棒銀ではこの▲9四歩という手が有効になると紹介したが、この局面では悪手である。理由としては△7四歩と▲7七桂の交換が入っていることで後手の飛車を前回のブログのときのようにいじめられないからである。

この局面で手抜かれて△8六歩と攻められたら後手ペースだったと思うが、後手はここで△9二歩と受けてしまう。これなら先手が有利だが、本局でのこの1手は大いに反省したい。ちなみにここでは▲9四歩の効果が薄いので、単純に△4五桂と跳ねていくほうが優ったと思う。

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図5: 44手目 飛車を引かないソフトの攻めを意識

桂馬2枚が中央に跳ねて相手玉に迫っているので局面は先手有利である。ここで前回ブログを書くときに激指と検討した成果を活かそうと思った。それが、▲3四飛である。一見△3三香で飛車が詰むが▲5三桂左成、△同銀、▲同桂成、△同角、▲7四飛で飛車が助かった。

これは激指のような順だろうと思ったが、激指先生は△3三香に対して▲4四飛(!)、△同歩、▲5三桂右成で攻め切るのが最善とのことだった。まだまだ激指先生の域は遠いな、と思い知らされた。

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図6: 80手目 次の一手問題

お互いミスが多い中終盤だった。とはいえ、やはり中央を攻めていく方が勝ちやすいのは間違いないだろう。先手がものすごい駒得しているので普通に取られそうな飛車を逃しても勝てるとは思うが、ここで最短で勝つために次の手で必至を掛けてほしい。おわかりいただけるだろうか?

正解は▲3三歩である。これで受けがなく次に後手が何を指しても詰んでしまう。本譜は△5四歩、▲3二歩成、△同玉まで進んだが、ここから11手で詰む。むしろ11手まで伸ばす受けの手を探すのが難しいかもしれないが是非頭の中で詰まして欲しい。

・・・というわけで自己最高レートを更新して2051になった。かつての自分を超えることができて非常に嬉しく思う。バドミントンのサークルのサイトに勝手に始めたこのブログも自身の棋力向上に大いに役立っていると思う。これからも更新していければと思う。

4月19日の将棋-番外編-

http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=83045

田口が後手番では4手目△9四歩と突くダイレクト向かい飛車を採用しているが、プロの棋戦でも現れた。この棋譜は田口にとってかなり重要な棋譜となりそうだったのでソフトと一緒に検討してみた。

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図1:12手目 後手 竹内四段、ダイレクト向かい飛車を採用

本局は棋聖戦の決勝トーナメント1回戦で最初は竹内四段の先手で先手中飛車を採用したが、後手の豊島七段の差し回しが見事で千日手になり先後入れ替えて千日手指し直しの一局である。

ここでアマチュア四段以下レベルだと△6五角の率がかなり高いが、最近のプロ間では△6五角ではなく持久戦を目指す▲7八玉が多い。これに今ダイレクト向かい飛車は苦戦しているのである。

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図2:21手目 仕掛けを封じる▲3六歩

以前は▲7七銀と上がっている形が多かった(下図)ため、 0414_ex1

△2四歩と飛車先逆襲する仕掛けがあった。これはこれでいい勝負なのだが、アマチュア間ならかなり後手が勝ちやすい展開になりやすいと思う。

しかし、▲7七銀を保留する指し方が大石六段の「ダイレクト向かい飛車最新実戦ガイド」(※1)にも紹介されている有力策で田口も24でやられたことがあり、負かされた記憶がある。豊島七段の▲3六歩の意味を簡単に言うと、△2四歩と仕掛けられた時に▲7七角△3三角▲3七桂とされると飛車先の銀が身動き取れない。つまり△2四歩の仕掛けを封じているのだ。

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27手目 ▲7七銀保留の効果、▲7七角!

▲7七銀保留の効果は△2四歩の仕掛けを封じていただけではない。後手は4四銀から3筋の歩を交換しつつ銀を繰り出して仕掛けを見出そうとしているが、▲7七角という手が好手である。もし▲7七銀型だと角は▲6六角と打つことになり、これだと△4四銀と引く手がある。これでも難しいが激しい展開になり、後手番なら十分の戦いに持ち込める(と思う)。

しかし▲7七角で△4四銀だと▲4五歩△5五角▲同角△同銀▲7七角△6四角▲2六飛で、次の▲5六歩が非常に受けにくく先手有利になってしまう。よって飛車取りを受けるには△4四角しかないのである。

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図4:33手目 先手銀冠を目指す

田口が個人的に注目しているのはこの局面である。先手の豊島七段は銀冠を目指した。これも▲7七銀保留の効果と言えるだろう。

銀冠という囲いは上部に厚く、プロ間で好まれる囲いである。銀冠に組ませてはかなり勝ちにくいのでこの局面で後手としては動いていかなければいけなかったのではないかと思う。

ソフトの検討だと△3五銀、△5五銀、△6四角のような手を挙げてくれた。どの手も互角やや先手持ちという感じなので好んで指すような手ではないと思うし、竹内四段が仕掛けを見送ったのも妥当な判断だとは思うが、その後の展開を見ると、動くチャンスはここしかなかったのではないかと思う。

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図5 42手目 後手5筋の位を確保するも…

先手は銀冠に組めて満足の駒組みだと思う。図4の局面では玉の堅さは先手<後手だったが、図5では先手>後手になっている。

対して後手は中央を厚くして先手から仕掛けられたらカウンターしますよ、と見せて手詰まりを狙っている。しかし、ここからの豊島七段の仕掛けが見事だった。

詳しくは冒頭のリンクを参照してほしいが、1筋から仕掛けて無理矢理飛車交換に持ち込んだあと、銀冠の特徴である端攻めを繰り出したのである。田口は棋譜を見てこんな仕掛けがあるのか、と思って感動した。

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図6 70手目 先手豊島七段の流れるような攻め

銀冠の長所は銀が端に効いているので端攻めをしても反動が少ないことにある。その長所を遺憾なく活かして豊島七段が攻めを繋げており、竹内四段は完全にされるがまま、といった手順が続く。

図6で豊島七段の次の1手が決め手級の一手ではなかったかと思う。▲9三香。△同桂と取ると▲7三銀と打たれて決まってしまう。しかし、放っておくと▲9二飛の一手詰め。よって△7二玉と早逃げで粘ろうとするも▲9二香成が当たり前だが厳しい追撃で、まさに端攻めのお手本のような手順と思う。うちの激指先生は▲9三香という手は読めていなかったが、指すと評価値がぐんぐん伸びていく好手だった。私もこういう攻めを繰り出せるようになりたいものである。

・・・というわけで、ダイレクト向かい飛車完敗という田口にとってはかなり残念な結果になってしまった。やはり▲7七銀保留型の作戦が有力で、アマチュアにも真似しやすい形に見えるのでこの作戦の対策を用意するのは急務と言えるだろう。(とはいえ、この棋譜見て覚えているアマチュアが沢山いるとも思えないが笑)。やはり個人的には図4の局面が瞬間的に先手の形が不安定なので気になるところである。無理やり暴れていく順はないかを少し掘り下げてみようと思う。

※1 大石直嗣「ダイレクト向かい飛車最新実戦ガイド」 ダイレクト向かい飛車を多用している大石直嗣六段による講座+自戦解説。▲7七銀保留型は対伊奈六段戦で伊奈六段が披露した優秀な構想として紹介されている。ただし、伊奈六段は本譜の▲3六歩ではなく▲5八金と指している。

4月15日松濤練

  • 平成27年4月15日の練習メニュー

18:15~19:15 基礎打ち

19:15~19:30 1対2でオールアタック・オールレシーブ

19:30~19:50 ダブルスの4球目まで

19:40~20:40 ダブルス練+シングルス

  • 参加者 6名 (男性5名、女性1名 内、初参加者1名)
  • 土曜日から参加者激減!水曜日は避けたほうが良いかも・・・?
  • 海城から初参加者!今の高校はやる気があるのは良いこと。
  • ただ、現役が練習中に足を攣ってしまいました。田口とのシングルスが原因の可能性大
  • 個人的に床波式のサーブが少しずつ入るようになってきたのが収穫

※ 他に書き残したいことがある方はコメント・掲示板等で田口に連絡ください