2月14日の将棋

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図1:4手目9四歩

ここ最近序中盤でのミスが続き、ブログに載せるにはあまりに酷い短手数(諦めが早過ぎるというのもあるが)の将棋が続いたが、今回は久しぶりに持ち時間15分秒読み1分の将棋を指すことにした。いつもは持ち時間1分秒読み30秒である。

この4手目△9四歩という手は振り飛車を志向した一手で、▲2五歩と突かれた場合には角交換して△3三銀と上がった後、△2二飛車と飛車を振る「ダイレクト向かい飛車」と呼ばれる戦法を用いる予定だった。この戦法を田口は最近多用している。

が、今回相手は▲9六歩と受けて来られたので、角筋を止める普通のノーマル四間飛車を採用した。先手は▲9六歩と突いたことで穴熊に組みにくくなっている。

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図2:29手目 先手3筋からの仕掛けを目指す

囲いあって先手は▲4六銀と、次に▲3五歩の仕掛けを見せてきた。その仕掛けを防ぐだけなら△3二飛と指せば良いのだが、この局面で田口は4分使って考えた結果△7四歩と歩を伸ばした。15分のうちの4分なのでそこそこの長考である。

ソフトの評価値も微差なのでそんなに考えず、どっち指しても一局という気持ちで指しても良かったかもしれない。

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図3:53手目 難解な中盤戦

図2から図3に至るまで、先手は43手目に▲7七桂と跳ねる手が最善の局面があったのだが△7四歩に長考した効果(?)で後手にミスが出て、若干後手ペースで迎えたこの局面。単純に同銀は▲1八角という手があり、両取りがかかってしまう。

何か上手い受けの手を指せれば駒得できそうなのでよくできそうだが、上手い受けの手が発見できず4分54秒使って△6三桂という非常に不自然な手を指した。この手でも相手の攻め筋を2~3通りは潰していると思ったが、ここから▲3一角(激指最善)という田口の見抜けなかった攻め筋(▲4二歩でなんともないと思っていた)により上手く指され再び先手ペースになってしまう。

図3での最善手はどうやら△2七角のようで、先手の持駒の香が守りの金駒と交換になる順が嫌で読みから排除してしまったが、5四に馬を作ると間接的に先手玉を睨んでおり、これなら後手ペースを維持できたようだ。

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図4:80手目 敗着級の一手△7五歩

中盤から一気に攻めに転じるのが苦手で、どうも攻めると形成を損ねてしまう。本局も攻めた結果先手優勢になってしまい、紛れを求めて△7五歩と突いたが、大悪手で、▲5二馬と銀を取られたら投了級の厳しさであった。

しかし、先手は▲同歩と置きに来てくれたが、これなら△7五歩と突いた価値があり、玉のコビンが開いたので王手がかかりやすくなった。自玉を攻められずに安全に勝ちたいという実戦心理によって助けられた局面だった。

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図5:95手目露骨な銀打ちへの対処

先手は勝ちを逃し、そこから数手悪手を指してしまうも局面は互角で迎えたこの局面。銀を取られると▲4一龍とせっかく抑えた龍が働いてしまう。

そこで田口が指した一手は△3二角という自陣角で、終盤で大駒を守備的に使う手を好むのが私の特徴でもあるのだが激指先生の怒りを買う一手だった。

激指先生はここで△2六龍もしくは△4九龍と指して、▲5二銀には△4六龍で王手をかけながら4一の歩を龍で守るという手を推奨されていた。全くもってその通りで私も激指先生のように柔軟な手を指せるよう精進しようと思います。

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図6:121手目先手端攻めの暴発

序中盤で長考を続けた田口に比べ、相手は終盤まで時間を上手く残していたが、1分将棋になり、相手の攻めの精度が落ちてきていたのを感じていた。(逆に言えばそれまではかなり攻めが上手くて苦しいと感じる場面が多かった。)

相手が龍を切ってくれたお陰でこちらの玉はかなり安全になり先手玉は7五の地点から殺到される危険があるので形勢が逆転した。

龍を切った代償に先手は▲9四歩と端攻めを仕掛けてきた。田口はここで手筋風の一手である△9八歩と指した。狙いは▲同香に△9九飛である(ただソフトはそこで▲8七玉という際どい受けがあると主張。そのため△9二歩の方が若干優るらしい)。相手は龍切るときにこの手をうっかりされたのだろう。そこからの指し手はかなり動揺が見られるような暴発が続き、最後は△7五香と走って王手をかけたところで詰みはないが相手が投了された。

本局はお互い手が広く難しい中盤戦になり、攻めの技術で優る相手にペースを掴まれ、負けの局面もあったが、大熱戦の末なんとか勝つことができた。

決めるべきところで決めないといけない、という教訓を得る一局になった。

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