3月22日の将棋

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上の棋譜を参考にすると、これからいかに田口がプロの棋譜を真似しているだけかが分かって頂けると思う。

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図1:9手目2五歩に対し、後手3二飛で再び4→3戦法の相手

連敗を喫してしまい、24三段から陥落しこの一局に勝ってもギリギリ三段届かないというレートでの対戦である。特に対藤井システムに全く勝てておらず、24初段に負けてしまったのが痛かった。対藤井システム相手でも穴熊に組みに行って負かされているので5五角急戦を採用すべきか迷っている。

それはそうと、本局は以前ブログでも取り上げた4→3戦法を相手が採用された。しかし、先月と違うのはブログで私の駒組みを激指とどこが問題だったかを検討しただけでなく、A級順位戦最終局渡辺二冠対久保九段戦で後手の久保九段が4→3戦法を採用したが、69手という短手数で投了に追い込まれた。このブログで4→3戦法はプロ間では勝ちにくい戦法と紹介したのでその通りの内容と結果になりホッとした。

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図2:27手目 個人的に感心した▲5八銀

図2の局面は9筋の端歩を交換していないこと以外は上の参考棋譜と全く同じである。

上の棋譜で個人的に一番感心したのがこの▲5八銀という一手である。飛車打ちの隙を無くすために仕掛けられたところで▲3八銀という手は今まで見たことがあったが、銀を5八に引く手は知らなかったしソフトも読みに入っていない。玉型の堅さを重視して細い攻めを繋げる棋風の渡辺二冠らしい一手だなと思った。

本譜は△2五歩、▲同飛に△2四銀で上の棋譜と離れた。

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図3:33手目 隙ありの▲1四歩

後手は先手の飛車を抑えこみたいのだが、▲1四歩が序盤に1筋を突き越した効果である。素直に同歩だと▲1二歩、△同香、▲4五角が狙いである。

そこで後手は△3六歩と暴れてきたが、局面は先手有利に傾いている。

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図4:39手目 予想外の悪手▲1四歩

33手目と同じ▲1四歩という手だが、前者は好手、後者は悪手である。この▲1四歩という手は△同香▲同香となればすぐに香車が取れないでしょう、という手で頻出の手筋ではあるのだが、この局面では悪手で△同香▲同香のあと△1六飛という手が香取りと飛車成を見た好手で、▲1四歩を入れずに単に▲1三同香成ならば△1六飛、▲1七香、△4六飛▲1四成香で成香の活躍が見込めるが、本譜だと1四の香車が使いづらく、ソフトの評価値が逆転する一手だった。

しかし、▲1七香という手に対して△4六飛なら相当難しい将棋になっていたが、△2六飛と飛車交換してくれたので、事なきを得た。以下、1一飛車が単純ながら強烈で、玉型の差もあり必勝と断言して良いと思う。つまり39手目という短手数にして敗着が出てしまったのだ。

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図5:69手目 後手投了図

本局終了後はプロの棋譜を参考にした完勝譜で序盤中盤終盤隙のない一局かと思っていたが、図4のように中盤もミスがあり、本局の寄せ方も後で検討すると最善とは程遠い差し回しだったようだ。隙だらけだったので実力不足を痛感する。

とはいえ、本譜は奇しくも上述の順位戦の棋譜と同じ69手で後手を投了に追い込んだ。なんといっても先手玉は金銀4枚の守りに一切手が付いていないのが心強い。

ちなみに図5は△同玉から13手詰めである。長いが30秒将棋の対局中に田口でも分かった詰みなので、難しくはないはずである。是非頭のなかで詰まして欲しい。

・・・もしこのブログをしていなかったら順位戦の4→3戦法の棋譜にここまで注目することはなく、「久保九段はなんでわざわざ勝てない戦法の4→3戦法なんか使ってるんだ…?」という感想を抱いて流していただろう。しかし、このブログで4→3戦法を取り上げて自分なりに色々考えたことで、むしろ渡辺二冠の対4→3戦法の優秀な対策という面に目がいくようになった。また一つプロの棋譜を見る楽しみ方が増えたような気がする。

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