4月22日の将棋

この自戦解説をする前に田口の24でのレートの推移を軽く話しておくと、21日にレート2,000を超えて欣喜雀躍していたのだが、さらに2連勝して約2年前に出した最高レートである2,044を上回って2,045という自己最高レートを更新したのだ!

2年前のかつての自分の記録を抜けたことには感慨深いものがあった。2年前のときとの共通点もいくつか発見できたような気がするので、もし将棋の指導をする機会があれば棋力向上に必要な心構えを伝えていければと思う。

その次の1局は負けてしまいレートを落とすも、その次は勝ちで2,043になった。そのタイミングで二段の相手からの挑戦を受けたので受けてたった。

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図1: 4手目 △8八角成にダイレクト向かい飛車を期待する田口

本局は田口が先手である。4手目で△8八角成という手を指された。最近の田口は4手目は△9四歩だが、この手を少し前の田口は愛用しており、自己最高レートを超えるのに絶好の戦型になるのではないかと胸踊らせた。

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図2: 12手目 後手1手損角換わりにも拘らず△2五歩と伸ばす

が、田口の期待通りにならず戦型は一手損角換わりになってしまった。一手損角換わりとは後手番から角換りすることによって先手が手得する不思議な戦型なのだが、現在でもプロ間でたまに指されている戦型である。

この戦法の骨子は飛車先を突かないことで自玉の駒組みの幅を広げることにあるのだが、なんと後手は△2五歩と飛車先を伸ばしてきた。いかにもアマチュアといった感じがある。この時点で田口は(相手は棒銀しか指せないな)と察した。

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図3: 24手目 予想通りの棒銀

後手は予想通り棒銀を指してきた。棒銀の棋譜は本ブログでも紹介したが、その時田口のオススメといった手はここで▲6六銀である中央を攻めるのである。

すぐに△9五歩と来られるかと思いきや、一回△7四歩と力を溜める手を指された。これは好手で、桂を使ったり左銀で飛車をいじめる手を消している。

ここで激指先生は▲4五桂という手を推しており、本譜に比べその方が優ったと思うが、田口の選択は▲7七桂。確かに桂馬2枚で中央を攻めるのは強力なのだが、守りの桂を攻めに使うのはリスクを伴う。▲7七桂と跳ねるのは9筋を攻められてからのほうが良かった。

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図4: 33手目 本ブログで有力と紹介した▲9四歩だが・・・

以前本ブログで対棒銀ではこの▲9四歩という手が有効になると紹介したが、この局面では悪手である。理由としては△7四歩と▲7七桂の交換が入っていることで後手の飛車を前回のブログのときのようにいじめられないからである。

この局面で手抜かれて△8六歩と攻められたら後手ペースだったと思うが、後手はここで△9二歩と受けてしまう。これなら先手が有利だが、本局でのこの1手は大いに反省したい。ちなみにここでは▲9四歩の効果が薄いので、単純に△4五桂と跳ねていくほうが優ったと思う。

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図5: 44手目 飛車を引かないソフトの攻めを意識

桂馬2枚が中央に跳ねて相手玉に迫っているので局面は先手有利である。ここで前回ブログを書くときに激指と検討した成果を活かそうと思った。それが、▲3四飛である。一見△3三香で飛車が詰むが▲5三桂左成、△同銀、▲同桂成、△同角、▲7四飛で飛車が助かった。

これは激指のような順だろうと思ったが、激指先生は△3三香に対して▲4四飛(!)、△同歩、▲5三桂右成で攻め切るのが最善とのことだった。まだまだ激指先生の域は遠いな、と思い知らされた。

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図6: 80手目 次の一手問題

お互いミスが多い中終盤だった。とはいえ、やはり中央を攻めていく方が勝ちやすいのは間違いないだろう。先手がものすごい駒得しているので普通に取られそうな飛車を逃しても勝てるとは思うが、ここで最短で勝つために次の手で必至を掛けてほしい。おわかりいただけるだろうか?

正解は▲3三歩である。これで受けがなく次に後手が何を指しても詰んでしまう。本譜は△5四歩、▲3二歩成、△同玉まで進んだが、ここから11手で詰む。むしろ11手まで伸ばす受けの手を探すのが難しいかもしれないが是非頭の中で詰まして欲しい。

・・・というわけで自己最高レートを更新して2051になった。かつての自分を超えることができて非常に嬉しく思う。バドミントンのサークルのサイトに勝手に始めたこのブログも自身の棋力向上に大いに役立っていると思う。これからも更新していければと思う。

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