6月22日の将棋

1ヶ月間更新がストップしていたが、その間一瞬だが田口のレートが凄いことになっていた。なんと将棋倶楽部24でのレートが四段になったのである!

24rating

参考図:将棋倶楽部レートの世間のレベル

ただ四段(レート2,100以上)になったのはほんの一瞬で2,000をやや下回るレートにいることが多い。実際の田口の実力はそんなものだろう。いずれは自己最高レートを再び更新できるよう精進したい。

0622_1

図1:29手目 先手▲5六銀を決めない振り穴を採用

今回は15分制の対局で田口は後手である。以前本ブログで振り飛車穴熊は早めに▲5六銀を決めるのが広瀬八段の考え方でそれがアマチュア間にも浸透していると解説したが、今回の相手は広瀬八段の教えを守っていない。

この指し方の場合、後手としてはすぐに△4四歩を伸ばさずに△4四銀~△3三銀と銀を穴熊に引きつけるのが良いのだが、ついついいつもの穴熊のクセで△4四歩と伸ばしてしまった。

こういうミスをしないよう、相手の手を見てからちゃんと考えて指すクセをしっかりつけたい。

0622_2

図2:53手目 見えなかった”じっと”の好手

最近の田口は”じっと”溜める手を意識している。直接的ではなくて次に活きる、という手が指せれば攻めの幅がグッと広がるので、そういう手を指せればと思うのだが、この局面で考えても考えても思い浮かばず△8六飛と飛車を切り飛ばしてから△8八角と迫った。これで全く悪いというわけではないのだが、対局後激指先生の示した最善手が△4五歩という手だった。これは次に△3三角と角を活用する手を見せつつ△4六歩の狙いも後に生じる。

田口はこういう手を指したかった。やはり激指先生の中盤感覚には脱帽するばかりである。

0622_3

図3:72手目 飛車を取れない難解な終盤戦

田口は駒損しながらも相手の守りの金を剥がして飛車取りに角を成った。しかし本局の相手の次の一手が好手で難解な終盤戦が始まった。

▲1五桂。穴熊攻略は銀の頭の位置を攻めるのが有力なことが多いが本局も同様である。ここで田口も時間を使ってしっかり読みをいれたが、例えば単純な攻め合うと△4八馬▲2三桂不成△同銀▲同香成と進むと先手玉は詰めろで無いのに対し、後手玉は△2ニ銀から長手数だが詰みなのだ。

つまり▲1五桂に対しては受けなければならない。本譜では▲3二金打を先に打ってしまったが、単に▲3三金の方が良かった。細かいところだが気をつけたい。

0622_4

図4:79手目 怪しげな△6五角にビビる田口

図3の局面から少し進んだところで、先手としては、ずっと飛車取りなのは気持ち悪かったのだろう。飛車を逃げてしまったが、これで攻守逆転して後手ペースになったと思う。つい手拍子に△3八金と打ってしまったのは反省(もっと好手があった)だが、△6五角というひと目には理解できない手が飛んできた。

どうせ飛車取る手は間に合わないんだろう、と相手を信頼して△2四歩という手を少考で指してしまったが、もう少し△4九金と飛車を取る手を考えてから指した方が良かった。(ただ飛車を取る手は超難解な順が続く。結果的には△2四歩は最善手。ただ△3八金を決めずに先に指したほうがさらに良かった。)

ちなみに△2四歩という手は香車の多段ロケットに対して効いてる位置を1マスずらして威力を弱める受けの手筋である。

0622_5

図5:100手目 2七の地点を狙い返す

図4と図5を見比べてほしい。図4の時点では2三の地点を狙っていた香車×2と桂馬が逆を向いて2七の地点を狙っている。まさに「寝返った」という感じで面白い局面になったと思う。

この局面は後手が完璧な堅陣なのに対し、先手の穴熊は薄く、受けが難しい。この数手後に投了となった。

・・・本局は相穴熊の激戦となり、一手進む度に詰むまでの速度計算をしなければならない難解な終盤戦となったがしっかりと受けることによって優勢を築くことができた。

ただ、本ブログには書いてない部分での序中盤で反省すべき点がいくつかあるのでそれらを今後の将棋に活かしていきたいと思う。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください