合宿で野球観戦はなくなりそうだが、個人的に横浜戦を見に行くことにした。ハマスタは初めてなので楽しみだ。
前回の投稿では、打撃の指標としては打率で見るよりOPSで見た方がより実際の得点能力に近い、という話をした。未だに日本野球界ではOPSが高くても打率が低いと野次られたりネットで叩かれたりしてしまう風潮が見受けられるので、まだまだメジャーと日本の野球の差は大きいなぁと感じさせられてしまう。
前回は打撃の指標の話だったので、今回は投球の指標について勉強したい。
投手でよく使われる指標といえば、防御率である。これは仮にこのピッチャーが9回まで投げたとしたら何点取られるかというのを出した指標で、野球初心者が見ても「今日は防御率2点台のピッチャーが先発だから2~3点くらいの勝負になりそうだ」という事がわかり、計算方法も
防御率 = 取られた点数×27 / 取ったアウトの数
と簡単なので昔から重宝されてきた。しかし極端な例だが、守りに付いている野手がプロの選手か少年野球かで、同じピッチャーでも全く違う防御率になるはずで、防御率という指標には味方の守備も少なからず影響している。真に優れたピッチャーかどうかを見極めるには不十分な指標だろう。
そこで2001年頃、守備が絡まない三振、四死球、被本塁打だけで投手を評価してしまおう、という考えが出てきた。その考えから生まれた指標がFIP(Fielding Independent Pitching)と呼ばれるもので、計算方法は
FIP = (被本塁打×13 + (四球 + 死球 – 敬遠)×3 – 三振×2) ÷ 投球回 + リーグごとの補正値
リーグごとの補正値の計算方法は割愛するが、そのリーグの平均的な防御率を計算に組み込むことによってそのピッチャーの防御率とFIPを見比べて易くしている。例えば、あるピッチャーの防御率が4.00だったがFIPだと3.00だとしたら、良いピッチングはしているけど、運悪く失点していたり味方の守備がザルだったり、となり、FIPが5.00だとしたらその逆で運良く失点してなかったり味方の守備範囲がとても広かったり、ということになる。
この指標が出てきた時は、打たせて取るタイプのピッチャーが評価されないじゃないか、本当にこんな指標でピッチャーが評価できるのか、と疑問が呈されたらしいが、どうやらこの指標の考え方は正しそうだ、という認識が広まり、今ではFIPの考えを応用したより正確な指標も登場している。(ベイスターズ所属のモスコーソ投手の素晴らしいエピソードと絡めてtRAという指標もいずれ紹介できたら嬉しい)
このFIPという指標が防御率より優れている点は守備の影響を受けないというだけでなく、防御率に比べて翌年も近い数字になりやすいという点である。
つまり、防御率より年ごとのブレが小さいので来年以降も活躍が見込める可能性が高い選手だということになる。それを踏まえて下のサイトを見てもらいたい。
http://1point02.jp/op/gnav/leaders/pl/pps_advanced.aspx?sn=2016&lg=0&tm=0&ps=1&pn=-1
FIPをより発展させたtRAという指標が一番右の列にあり、その数字が良い順に投手名がソートされているが、T(チーム):DB が上位に多くいるのがわかる。最近新しく加入した今永、石田らの活躍によって今後数年間、ベイスターズは投手王国としてセリーグ上位の常連に君臨し続ける予感がしないだろうか。