バドミントンの強さを数値化する方法を考える-前編-

12月20日の練習後、某サークルではメンバー全員の勝率を提示して、低すぎるメンバーはクビになることすらあるという話を聞いた。

当団体でもダブルスの勝敗を記録しておきたい、と考えているメンバーもいるようだ。私も記録できるならしたほうが面白いとは思う。(ただし手間がかかるのが難点だが)

で、手間がかかるので私はやりたくない(予め断っておく笑)のだがexcelにでも勝敗表をつけておけば強さを数値化することが可能である。

インターネットで行う対戦ゲームではレーティングシステムを採用しているゲームは数多く存在するが、ここでは麻雀サイト「天鳳」とチェスで一般的に用いられている「イロレーティング」を簡素化した将棋倶楽部24のレーティングシステムを見ていく。

まずはバドミントンのダブルスと同じ4人で行われるゲームである麻雀のサイト「天鳳」での計算方法を見てみよう。計算方法は以下のとおりである。

Rの変動=試合数補正×(順位基準点+補正値)
試合補正数:400試合未満 1-試合数×0.002  400試合以上 0.2
順位基準点: 1位 +30 2位 +10 3位 -10 4位 -30
補正値   :(卓平均R-自分のR)÷40(50に変更との噂あり)

麻雀は1位から4位まで順位付けしていくゲームだが、バドミントンは2人が勝利し、2人が敗北するゲームなので、上の計算式の順位基準点を勝ち:+20 負け:-20 というようにすればバドミントンのダブルスにも応用可能ではないだろうかと考えた。

この計算式を利用して計算をしてみよう。今回は例として4人のプレーヤーを使って説明する。

田口:試合数400 レート1700

床波:試合数100 レート2200

谷津:試合数50 レート1400

野口:試合数0     レート1500

天鳳では初参加のメンバーは1500に設定される。4人の平均レートは(1700+2200+1400+1500)/4で1700である。

ケース1 勝ち:田口・床波ペア 負け:谷津・野口

田口:Rの変動 = 0.2 × (20 + (1700 – 1700) ÷ 40) = 4 試合後レート1704

床波:Rの変動 = 0.8 × (20 + (1700 – 2200) ÷ 40) = 6 試合後レート 2206

谷津:Rの変動 = 0.9 × (-20 + (1700 – 1400) ÷ 40) = -11.25 試合後レート 1388.75

野口:Rの変動 = 1 × (-20 + (1700 – 1500) ÷ 40) = -15 試合後レート1485

ケース2 勝ち:谷津・野口 負け:床波・田口

田口:Rの変動 = 0.2 × (-20 + (1700 – 1700) ÷ 40) = -4 試合後レート1696

床波:Rの変動 = 0.8 × (-20 + (1700 – 2200) ÷ 40) = -26 試合後レート 2174

谷津:Rの変動 = 0.9 × (20 + (1700 – 1400) ÷ 40) = 24.75 試合後レート 1424.75

野口:Rの変動 = 1 × (20 + (1700 – 1500) ÷ 40) = 25 試合後レート1525

ケース1では各上ペアが順当に勝った場合、ケース2では格下ペアが一発入れた場合である。何度も練習に来ている田口のレートに比べ初参加の野口のレートは変動幅が大きいこと、高レートの床波は勝ってもレートがあまり増えないが負けるとレートが大幅に下げられること(低レートの谷津はその逆)ということを確認していただきたい。レーティングシステムはそういうものだということを理解していただければ十分だ。

ただ天鳳の計算システムをそのままバドミントンに当てはめると、どのプレーヤーも床波と組んで試合をし続けた場合レートを上げ続けてしまうだろう。バドミントンは麻雀よりランダム性が少ないので強いほうが勝ちやすい性質を考慮すると、順位基準点を上げて補正値の値も大きくした方が良いだろう。ネット麻雀ほどバドミントンは頻繁にできるものでもないため試合数補正の計算方法も変えたほうがよさそうだ。

例えば
Rの変動=試合数補正×(順位基準点+補正値)
試合補正数:100試合未満 1-試合数×0.008  100試合以上 0.2
順位基準点: 勝ち+50 負け- 50
補正値   :(ペアの平均R-相手ペアのR)÷10

とすれば多少は改善されると思う。もし天鳳のレーティングを用いる場合には参考になると思う。ただ、最初はダブルスは4人で行うゲームだから麻雀のレーティングを参考にした方が良いかと思っていたが、ペアの平均レートを用いたほうが良いという結論に至ったので、1対1のゲームであるチェスや将棋のレーティングを用いたほうがより良いレートが計算できると思う。

次回、将棋倶楽部24で用いられている「簡易化されたイロレーティング」を見ていくことにする。

「バドミントンの強さを数値化する方法を考える-前編-」への3件のフィードバック

  1. 最初は天鳳のレーティングをそのまま代用すればいいでしょ、と簡単に考えていましたが、相方が強い人とずっと組めばレート上がり続けるじゃん、という当たり前の理屈に気づかないという・・・

    書いているうちに将棋のレーティングシステムを用いる方が良いということに気づき、でも書いた内容を消すのがもったいなくて・・・という感じで前後編になってしまいました。

  2. 今期は試合内容を記録に残したい!
    その目的は記録化によるメンバーのランキングもあるが、最大の目的は試合に慣れること・勝負強くなることだ。

  3. あくまでも全てを記録化するのではなく、練習の中で、通常の試合に近い条件でのゲーム練を採り入れてみようか、ということだ。
    やり方は今検討中だが、客観化されたデータから新たな発見があるかもしれないとは思っている。

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