2月19日の将棋

201406_habuyoshiharu

pdfを上げられるかどうかのテスト

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図1:24手目 後手角換わり棒銀を採用

今回田口は先手である。おそらく級位者と初段の最大の違いは棒銀に勝てるかどうかだと個人的に考えている。棒銀といえば「ひふみん」としてバラエティ番組にもよく出演される加藤九段が得意とされており、有力な戦法ではあるが本譜のような単純な棒銀はかなり勝ちにくいとされている。

しかし、級位者のうちは相手に仕掛けられてそのまま成り駒で金銀取られて飛車先突破されて為す術なく投了という経験を誰しも一度はしたことあるのではないだろうか。今回は級位者レベルでも簡単にできる棒銀対策を紹介したい。

図1の局面で個人的にオススメなのが▲6六銀という手である。これから8筋攻められそうなのに銀が逆方向に行ってるじゃないか、と思われるかもしれないが、対棒銀の考え方としては「端は捨てて中央を攻める」のが重要だと思う。丁寧に受けるのはアマチュアには難しいので攻め合い勝ちを目指す方が簡単だし楽しいと思う。

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図2:34手目後手棒銀によって端を突破する図

後手は順調に端を突破してきた。ここで香を成られるのが嫌と▲9七歩と打ってしまうと後手棒銀の思う壺である。もう一度書くが「端はすてる」のである。ここで覚えてもらいたい手が▲9四歩と香の裏に歩を打つ手である。以下、

(1)△9八香成には▲6六銀と上がった効果で▲7七桂と跳ねられる

(2)△8六歩には▲同歩△同飛▲8七歩△9六飛▲9七銀△7六飛▲8六銀で後手の飛車が身動きできなくなる

かといって放っておくと(3)▲9三歩成△同桂▲9一角で次の▲7七角成を受けることができない。

▲9四歩は定跡書を読むなどして見たことないと指せない手だとは思うがこの機会に是非御銘記頂きたい。本譜は△9一香と受けてきたが、せっかく銀の代償に得た香をこのように使うのでは後手が苦しい。棒銀対策成功である。

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図3:44手目 先手2枚の桂で5三の地点を狙う

対棒銀には中央を攻めるのが良い、と冒頭で書いたが、この局面のように2枚の桂が中央に跳ねているのはまさに理想型と言ってもいいだろう。この局面は先手優勢で▲2四歩、▲7一角など色んな攻め筋があり、逆に悩むかもしれない。田口は▲6一銀と守りの金を攻めた。優勢の時は慌てて攻めずにじわじわと相手の守りを剥がしていく方がわかりやすくて良いと思う。

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図4:51手目 「大駒は取られる直前が一番効いている」の図

後手は△7一角という非常手段の受けで成香の攻めを間に合わせるための手数稼ぎをしようとしているが、局面は自然に指している先手がどんどん良くなってきている。

この局面で本譜は▲2八飛と飛車先交換に満足して引いた。これはこれで十分良い手ではあるのだが、激指先生にここで▲5三桂成△同銀▲同桂成△同角▲3四飛で金香両取りがかかる順を指摘してもらった。

激指の評価値的には何故か▲2八飛とそこまで差がないのだが、見た目に鮮やかな順で、このように大駒を捌けたら将棋指してて一層楽しいだろうなと思う。ちなみに本譜はここから△9七香成に再び▲9四歩!この手が棒銀には常に急所なのだ。

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図5:72手目 田口7手詰め発見できず!

この局面は後手が△2八角成と飛車を取った局面。田口は中盤に比べると終盤は得意にしているが詰将棋は苦手という残念な棋力の持ち主なのである。この局面7手詰めなのだが、発見できるだろうか。

正解は▲6二成桂△4二玉▲4一金(←見えない)△同玉▲7一飛成△4二玉▲5一龍 までの7手詰み。

いくら早指しとはいえ、7手詰みくらいはちゃんと見えるようにしたい。

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図6:77手目 ▲6八玉にて後手投了の図

投了図を見ていただきたい。後手の桂香は盤の両端に何枚もあって先手玉に迫れていないのに対し、先手の桂は中央で後手玉を追い詰めているのが分かってもらえると思う。

本譜はアマ高段になると棒銀は逆に勝ちにくい戦法であるということを知らしめるのに良い題材になったと思う。7手詰めを発見できなかった以外は完璧な内容で個人的にも満足のいく内容だった。

おさらいだが、対棒銀には「端は捨てて中央突破」「香車の裏の歩」という2つを覚えておけば、簡単に潰されることはなくなるだろう。是非対棒銀をマスターし、一人でも多くの有段者がエクレールのメンバーから出るのを期待している。

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